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保険営業がきついと感じる方へ|現場でよくある悩みとキャリアの選び方2025.09.05
記事監修

FRONTIER株式会社
代表
鹿島 義則
SOMPOひまわり生命・クレディスイス生命で営業推進や組織統括を歴任。その後マニュライフ生命では3,000名規模の営業組織を牽引。2021年にFRONTIER株式会社を設立し、保険・金融・コンサル業界に特化した転職支援を年間300名以上手がけている。
保険営業はやりがいを感じられる仕事ですが、「きつい」と思ってしまう場面も多いのが現実です。
成果が出ないと収入が安定せず、厳しいノルマや人間関係の悩みが重なることもあります。
努力を続けても思うように成果につながらないと、将来への不安や生活への影響を感じやすくなるでしょう。
本記事では、保険営業をきついと感じる理由や今後の選択肢について解説していきます。
保険営業を「きつい」と感じる理由

保険営業の仕事には、続けているうちに「きつい」と感じてしまう場面がいくつもあります。
収入の不安定さや厳しいノルマ、人間関係の悩みなど、思わず負担を感じてしまう理由は少なくありません。
成果が出ないと収入が安定しない
保険営業の給与体系は、多くの会社で歩合制が中心です。
契約件数や保険料収入によって報酬が決まるため、契約が多ければ高収入が得られますが、成果が出なければ基本給が下がったり手当が減ったりすることもあります。
中には、売れない時期が続いて、生活に支障をきたすほど収入が大きく落ち込んでしまう人も珍しくありません。
生活費や家族の支出を考えると、成果に収入が直結する仕組みは大きなプレッシャーになりやすく、将来に対する不安を強く感じる人も少なくありません。
営業目標に追われてプレッシャーを感じる
保険営業には、月ごとや四半期ごとに契約目標が設定されるのが一般的です。
目標を達成できなければ上司からの指導が厳しくなり、場合によっては異なる部署での再スタートや、転職を検討せざるを得ない状況に至ることもあります。
見込み客が少ないと新規契約を取るのが難しく、結果として数字に追われ続ける状況になりがちです。
「契約を取らなければならない」という意識に囚われてしまい、商談で自然な提案が出来ず、成果につながらない悪循環に陥ることもあります。
成果基準未達による緊張感が常に付きまとうことから、保険営業の仕事を「きつい」と感じる人は非常に多いです。
上司の厳しい指導や社風が合わない
保険営業の職場は、成果を重視する文化や雰囲気が残っているところも少なくありません。
上司によっては「もっと気合いを入れろ」といった根性論を前面に出すこともあり、人によっては強いストレスを感じます。
成果を出している人には刺激になる一方で、自分のペースを大切にしたい人や、論理的に考えて動きたい人にとっては合わないことがあります。
過剰な指導や上下関係の厳しさが、保険営業を続ける上での大きな負担になってしまうのです。
友人や家族への営業で関係性がぎくしゃくする
見込み客が減ってしまうと、友人や親族に保険を勧めるしかない状況に追い込まれることも見受けられます。
身近な人は断りにくいため契約につながることもありますが、一方で「営業された」と感じて距離を置かれてしまうケースもあります。
長く築いてきた信頼関係が壊れる可能性があるため、契約が取れても複雑な気持ちが残る人は少なくありません。
特に経験が浅い時期には、販売目標達成のために身近な人に頼らざるを得ず、結果としてプライベートを犠牲にしてしまうことがあります。
新規契約を毎月取り続けることが難しい
保険営業では、毎月新しい契約を取り続けることが求められます。
契約が一件増えれば見込み客リストは減り、その分また新しい顧客を探さなければなりません。
紹介や人脈だけでは限界があり、飛び込み営業や電話営業に頼ることも多くなります。
契約が取れない月があると収入が一気に落ち込み、解約が発生すれば数字が崩れてしまうこともあります。
努力を続けても安定しない環境に、疲れや不安を感じてしまう人が多いのが実情です。
「きつい」を放置するとキャリアに与える影響とは
保険営業の仕事を「きつい」と感じているままだと、キャリアの選択肢や日々の暮らしにまで、少しずつ影響が及んでしまうことがあります。
本当に向いている仕事に挑戦するチャンスを逃す
保険営業を「きつい」と感じながら続けていると、自分に合った仕事に挑戦できる機会を失ってしまうことがあります。
営業で身につけたコミュニケーション力や提案力は、他の業界でも十分に活かせる力です。
もし別の環境で力を発揮できれば、自信ややりがいを得られる場面も増えるでしょう。
しかし、動くのが遅くなるほど、自身を成長させる経験を積める時間が減ってしまいます。
結果として、本来ならもっと輝けるはずのキャリアを狭めてしまうことにつながります。
年齢が上がるほど転職のハードルが高くなる
転職活動は、一般的に若い年代の方が有利だといわれています。
年齢を重ねると、企業からはより高い専門性やマネジメント経験を求められることが多くなり、応募できる求人の数も少なくなっていきます。
保険営業を続けながら「いつかは別の仕事に」と考えていても、時間が経つほど選択肢が狭まってしまう可能性があります。
同じ経歴でも20代と30代中盤以降では、紹介される求人や採用の通りやすさが大きく違うため、早めに動いた人ほど転職活動をスムーズに進めやすいのです。
生活や人間関係が崩れてしまう可能性も
保険営業のきつさを無理に抱え込んでいると、仕事以外の部分にも悪影響が及ぶことがあります。
契約のプレッシャーや収入の不安定さが重なると、気付かないうちに心身が疲れやすくなり、家族や友人との時間を楽しめなくなることもあります。
さらに、販売目標を達成するために身近な人へ営業するようになると、大切な関係がぎくしゃくすることもあります。
日々の負担が積み重なると、生活リズムや健康まで乱れてしまい、長く働き続けることが困難になってしまうかもしれません。
保険営業を続けるか迷ったときの考え方

保険営業の仕事をきついと感じたときは、これからの働き方やキャリアをどう考えるか、一度立ち止まって整理してみることが大切です。
自分の強みと弱みを整理する
保険営業がきついと感じたときは、自分の強みと弱みを改めて整理してみることが役立ちます。
「人と話すのが好き」「数字に強い」といった強みもあれば、「初対面の人と距離を縮めるのが苦手」といった弱みもあるはずです。
強みを活かせる場面が多ければ仕事を続ける意味が見えてきますし、弱みが負担になっているなら転職を考えるきっかけになるかもしれません。
紙に書き出してみるだけでも、自分の適性を客観的に見つめ直しやすくなります。
営業スキルや資格を棚卸ししてみる
今まで保険営業で積み重ねてきたスキルや資格を整理するのも大切です。
お客様の話を聞く力や提案力は、金融やコンサル業界をはじめ、幅広い分野で必要とされる力です。FP資格や保険関連の資格もキャリアの強みになります。
自分にどんなスキルがあり、どんな場面で活かせるのかを改めて確認することで、今の仕事の中での活かし方や、将来の転職に向けた準備にもつながります。
ご自身のスキルを整理する過程で「思った以上に出来ることが多い」と気付けることもあるでしょう。
成功体験と失敗体験を振り返る
今までの営業での成功体験や失敗体験を振り返ることも、自分の進む道を考えるうえで大きなヒントになります。
例えば、大きな契約を取れたとき、どんな工夫をしたのか。逆に契約につながらなかったとき、どんな壁にぶつかったのかを書き出してみることで、自分が得意な場面や苦手な場面が見えてきます。
成功の要因や失敗の理由を理解すれば、今後の改善に役立つだけでなく、転職活動の際に「どんな環境で力を発揮できるか」を具体的に伝える材料にもなります。
理想の働き方や生活スタイルを考える
保険営業をきついと感じるとき、仕事そのものだけではなく、生活全体とのバランスが原因であることも多いです。
例えば「家族との時間を増やしたい」「休日はきちんと休みたい」という思いがあるなら、今の働き方がその希望に合っているかを見直してみましょう。
収入やキャリアアップも大切ですが、理想の生活に合っていなければ、仕事を続けるのは難しくなるでしょう。
どんな働き方をすれば毎日を充実させられるのかを考えることが、次の選択を決める大きな手がかりになります。
一人で難しいときは専門家に相談してみる
自分だけで考えてもなかなか答えが出ないときは、専門家に相談してみるのがおすすめです。
転職エージェントのキャリアコンサルタントは、保険や金融業界に詳しく、今の経験をどのように活かせるかを客観的に提案してくれます。
今まで気付かなかった選択肢や、新しいキャリアの可能性が見えてくることもあるでしょう。
誰かと一緒に考えることで視野が広がり、保険営業を続けるのか、それとも新しい道に進むのかを冷静に判断しやすくなります。
もし転職するなら、どんな道がある?
保険営業を続けるのがきついと感じたときは、今までの経験を活かせる仕事や、新しい分野に挑戦できる道を考えてみるのも良いでしょう。
銀行・証券・メーカーなど営業職で経験を活かす
保険営業で身につけた提案力や相手のニーズを引き出す力は、銀行や証券会社、メーカーの営業でも活かせます。
銀行では住宅ローンや投資信託、証券会社では資産運用や保険商品の提案につなげられます。
メーカー営業は法人向けが中心で、自動車や食品、医薬品など業界の幅が広いのが特徴です。
どの職種でも数字を追いながら信頼関係を築く点は共通しているため、今までの経験を強みに変えやすいフィールドといえるでしょう。
新規開拓の負担が少ないルート営業に挑戦する
保険営業がきついと感じる人の多くが負担に感じるのが、新規開拓です。
新規開拓のプレッシャーを減らしたいなら、ルート営業が選択肢になります。
ルート営業は既存のお客様を訪問して関係を深める仕事が中心で、病院や薬局、スーパー、美容室など、業界も多様です。
ゼロから契約を取るよりも精神的な負担が少なく、安定した働き方を求める人に合っています。
長く関係を築いていくことが好きな人にとっては、やりがいを感じやすい職種といえるでしょう。
事務やマーケティングなど営業以外の仕事に転じる
営業から離れたいと思う人には、事務やマーケティングといった道もあります。
事務職なら書類作成やデータ管理が中心ですが、営業で培った調整力やコミュニケーション力は社内でのやり取りに活かせます。
マーケティング職では、顧客のニーズを調べたり広告やSNSの戦略を考えたりしながら、営業経験を「売れる仕組みづくり」に転換できます。
契約ノルマに追われにくい分、ライフスタイルを大切にしたい人にとっては、魅力的な選択肢になるでしょう。
まとめ
保険営業はやりがいを得られる一方で、収入の不安定さや厳しい成果基準、人間関係の負担などから「きつい」と感じる人も多い仕事です。
無理に続けることでキャリアや生活に影響が及ぶこともあるため、自分の強みやスキルを振り返りながら、将来の働き方を見直すことが大切になります。
そんなときは、一人で抱え込まず専門的なサポートを利用するのもひとつの方法です。
FRONTIER株式会社では、金融・保険・コンサルティング業界に詳しい経験豊富なコンサルタントが、あなたのキャリアの可能性を丁寧に引き出します。
履歴書添削や面接対策、企業選びまで現場目線で寄り添いながらサポートします。
「このままでいいのかな」と感じている方は、ぜひ気軽にご相談ください。